はじめてのバイク Vol.5:教習車のシートが40mm上がった——免許を取る前に、またがっておく
普通二輪の教習車がCB400SFからNX400Lへ替わり、シート高は750mmから790mmへ40mm上がった。足つきが不安な人が免許を取る前にできることを、8月19日のバイクの日と一緒に整理したよ。
この記事の注目ポイント
- 普通二輪の教習車はホンダCB400スーパーフォア(シート高750mm・207kg・4気筒56ps)から、2024年4月11日発売のNX400L教習車仕様(シート高790mm・201kg・2気筒46ps)へ切り替わっている。シート高は40mm高い。
- 車両の入れ替え時期は教習所ごとに違うため、申し込み前に「二輪の教習車は何が入っているか」「シートの低い仕様はあるか」を電話で確認するのが確実。
- 8月19日の「バイクの日 HAVE A BIKE DAY」は18回目。秋葉原UDX2Fで14〜20時・入場無料、国内4メーカーの最新モデル展示とヘルメット&プロテクター試着体験があり、免許取得前でも実車に触れられる。
- 自工会二輪車委員会の設楽元文委員長(ヤマハ発動機社長)は新基準原付に「想定以上の反響」と述べ、小型二輪・軽二輪を対象にした希望ナンバー制度の受付は10月から始まる。
8月19日はバイクの日、って知ってた? 今年で18回目になるイベントが、その日の午後に秋葉原で開かれたんだ。会場はUDXの2階「アキバ・スクエア」、主催は日本自動車工業会と日本二輪車普及安全協会で、入場は無料。14時から20時までやっていたから、仕事や学校のあとにふらっと寄れる時間割になっていた。国内4メーカーの最新モデルが4つのテーマで並んで、白バイも鈴鹿8時間耐久のマシンもあって、ヘルメットとプロテクターの試着体験まで用意されていた。前回このコラムでは、猛暑で昼間の二輪教習を止める教習所が出ている話を書いた。免許を取ろうと思っても思うように進まない夏だったけれど、こういう場所は、まだ免許を持っていない人がいちばん行きやすい入口なんじゃないかな。免許より先にバイクへ近づいてしまっても、ぜんぜんいいと思うんだ。
ヘルメットとプロテクターの試着体験、と書くと地味に聞こえるけれど、初めての人にこそ効く企画だと思う。ヘルメットはサイズ表記が同じでも、メーカーごとに想定している頭の形が違っていて、かぶってみるまで合うかどうかわからない。プロテクターも、胸部と背中と肘膝では厚みも存在感もぜんぜん違う。通販の写真だけで選ぼうとすると、「これ夏は暑いのかな」「上着の下に入るのかな」というところで手が止まってしまうんだよね。無料で、しかも買う前提のプレッシャーがない場所で、ひととおり身につけて確かめられるのは、けっこう貴重な機会なんだ。
実車が置いてある場所をすすめたいのには、もうひとつ理由がある。教習車がこの数年で世代交代しているから。長いあいだ、普通二輪の教習車といえばホンダのCB400スーパーフォアだった。1992年に登場して、2022年10月に生産を終えている。その後を引き受けたのが、2024年4月11日に教習所向けへ発売されたNX400Lという教習車仕様。価格は106万7000円で、ホンダは2,500台の販売を計画していた。ここからが本題で、CB400SFの教習車仕様はシート高750mmだったのに対して、NX400Lは790mm。40mm高い。数字にすると小さく見えるけれど、40mmはつま先の届き方がまるごと変わる高さだよ。いっぽうで車重は207kgから201kgへ6kg軽くなって、エンジンは4気筒56psから2気筒46psになった。取り回しは少し軽くなって、足つきだけは確実に厳しくなった——というのが、この入れ替えの正直な中身だと思う。
わたしも最初は、停まるたびに片足の先しか着かないのが怖くて、それだけで頭が真っ白になっていた側の人間だから、これは他人事じゃない。ただ、足つきは着くか着かないかの一発勝負ではなくて、慣れとコツでかなり変わる部分でもあるんだ。停まる前に片側へ体重を寄せておく、路面が平らで少しだけ高いところを選ぶ、靴底の厚いブーツを履く。それでも不安なら、申し込む前に教習所へ電話して「二輪の教習車は何が入っていますか」「シートの低い仕様はありますか」と聞いてしまうのがいちばん早い。車両の入れ替え時期は学校ごとにばらばらだから、CB400SFがまだ現役のところもあるし、これから替わるところもある。教習車の車種と、ローシート仕様の有無。この二つを聞くだけで、通う場所の相性はかなり見えてくる。聞かれて嫌がる教習所はまずないし、むしろ小柄な人の相談には慣れているところが多いよ。難しそうに見えることほど、確かめる方法は電話一本だったりするんだよね。
イベントの話に戻ると、今年は業界側からもいい報告があった。自工会二輪車委員会の設楽元文委員長(ヤマハ発動機社長)が、普通免許で乗れる新基準原付について「想定以上の反響をいただいている」と話している。会場にはホンダのスーパーカブ110ライトとヤマハのジョグワンが並んだ。それと、小型二輪と軽二輪を対象にした希望ナンバー制度の受付が10月から始まる、という話も出ていた。好きな数字を選べるだけのことで、走りには一ミリも関係ない。でも自分の一台になっていく感じがして、実は楽しくて、わたしはこういう話がけっこう好きなんだ。免許がなくても、またがって、試着して、ナンバーの数字を考えることはできる。教習所に電話をかけるのは、そのあとでも遅くない。はじめの一歩の順番なんて、そこからでもいいんじゃないかな。次の一年で免許を取る予定のある人は、シート高の40mmだけ、頭の隅に置いておいてほしいな。
参照・引用リンク
この記事の執筆時に引用・参照した公開情報です。





