はじめてのバイクCOLUMN — 2026.08.04
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はじめてのバイク Vol.3:普通免許で乗れる125cc——「新基準原付」を選ぶ前に知ってほしいこと

SIGNATURE COLUMN — はじめてのバイクBY MOMOKA OKUMURA2026.08.04
はじめてのバイク Vol.3:普通免許で乗れる125cc——「新基準原付」を選ぶ前に知ってほしいこと
PHOTOMOTOBOOK編集部↗ 原文を見る

普通免許で乗れる125cc「新基準原付」。でも最高速度30km/hと二段階右折は50cc原付のまま。4.0kWを境に免許が変わる仕組みと、最初の一台としての向き不向きを整理した。

この記事の注目ポイント

  • 新基準原付は2025年4月1日から追加された原付一種の区分で、排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御した二輪車が対象。普通免許で運転できるが、最高速度30km/h・二段階右折・二人乗り禁止・積載30kgという原付一種のルールがそのまま適用される。
  • 同じ125ccでも最高出力が4.0kWを超えるモデルは原付二種となり、小型限定普通二輪免許が必要になる。車体の見た目では区別がつかないため、購入時に原付一種か二種かを確認する必要がある。
  • 国内の50cc原付は2025年11月適用の第4次排出ガス規制に伴い2025年10月31日で生産終了。ホンダは2025年10月16日にスーパーカブ110 Liteなど4機種を発表し、ヤマハはJOG ONE(124cc)を2026年3月19日に25万9600円で発売した。

前回、最初の一台の相場が変わり始めてるって話を書いたら、「じゃあ普通免許で125ccに乗れるようになったって本当?」という質問をいくつももらった。答えは、半分は本当で、半分はちょっと違う、なんだ。たしかに普通免許で乗れる125ccのバイクは、いま実際にお店に並んでいる。でもそれは「125ccのバイクに乗れるようになった」という意味ではない。ここを勘違いしたまま買ってしまうと、あとで困るのはお店でも制度でもなくて、乗る本人なんだよね。難しそうに見えるけど、順番に整理すればそんなに複雑な話じゃないから、今回はそこを一緒に見ていきたいな。

まず事実から。日本自動車工業会の説明によると、2025年4月1日から「排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御した二輪車」が第一種原動機付自転車、つまり原付一種として新しく区分された。これがいわゆる「新基準原付」。背景にあるのは排出ガス規制で、2025年11月に第4次規制が適用されるのに合わせて、国内の50cc原付は2025年10月31日で生産が終わっている。排気量が小さいほど規制値をクリアするコストが重くなるため、50ccのまま作り続けるのが現実的でなくなった、という流れなんだ。車種も出そろい始めていて、ホンダは2025年10月16日に「スーパーカブ110 Lite」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」「Dio110 Lite」の4機種を発表した。ヤマハは「JOG ONE」を2026年3月19日に25万9600円で発売していて、こちらは排気量124ccだけど最高出力は4.0kW以下に抑えられている。

ここからが大事なところ。新基準原付は、車体の大きさも排気量も125ccクラスなのに、走るときのルールは従来の50cc原付とまったく同じなんだ。ヤマハの解説ページにも書かれているとおり、最高速度は30km/h、交差点では二段階右折、二人乗りは禁止、最大積載量は30kgまで、ナンバープレートは白。高速道路や自動車専用道路も走れない。つまり車体は大きくなったのに、走り方の制約はそっくり残っている。もうひとつ紛らわしいのが、同じ125ccでも最高出力が4.0kWを超えるモデルは原付二種の扱いになって、運転には小型限定普通二輪免許が要ること。見た目がよく似た2台が並んでいて、片方は普通免許でOK、片方は免許が必要、ということが普通に起こる。わたしも最初はこの区別がぱっと分からなくて、カタログの出力表記を何度も見返した。

もうひとつ、前回の相場の話とつながるところも書いておきたいな。日本自動車工業会の説明によれば、これまでの50cc以下の原付は、生産が終わったからといって運転や売買ができなくなるわけじゃない。すでに持っている人はそのまま乗れるし、中古で買うこともできる。だから「50ccが消えちゃうから急がなきゃ」と焦る必要は、少なくとも制度の面では無いと思う。ただ、新車の供給が止まった車種の中古がこの先どう動くかは、前回書いたとおり気にしておいたほうがいい。新基準原付そのものの値づけについては、Motor Fanの記事が「ベースになったモデルより1万5000円ほど安く設定されるのでは」と予想している。これはあくまで書き手の予想であって、メーカーが公表した価格ではないから、そこは分けて受け取ってほしいな。実際、先に出たヤマハのJOG ONEは25万9600円で、原付の値段としてはもう「安い乗り物」ではなくなってきている。

ここからはわたしの意見。片道2〜3kmの通勤や買い物みたいに、そもそも30km/hで足りる距離を毎日走るなら、新基準原付はすごく合っていると思う。軽自動車税は年2000円で済むし、免許を取り直さずに今日から始められるのは、やっぱり大きいよね。でも「休みの日にちょっと遠くまで行きたい」「後ろに誰かを乗せたい」が少しでも頭にあるなら、小型限定AT免許を取ってから原付二種を選ぶほうが、結果的には近道じゃないかな。免許はあとから増やせるけど、買った車体に貼りついたルールはあとから変えられない。そこが、新基準原付というきれいな選択肢の、いちばん引っかかりやすいところだと思う。初めての人にこそ、お店では「普通免許で乗れますか」だけじゃなくて「これは原付一種ですか、二種ですか」と聞いてみてほしいな。その一言で、選び方はかなりはっきりするよ。

参照・引用リンク

この記事の執筆時に引用・参照した公開情報です。

  1. 日本自動車工業会:原付一種に新たな区分基準が追加!
  2. ヤマハ発動機:新基準原付(走行ルール・対応車種)
  3. ヤマハ発動機:JOG ONE 製品ページ(2026年3月19日発売・25万9600円)
  4. バイクのニュース:新基準原付の市販車がついに登場 真っ先にホンダが発売 ヤマハは生産を発表中 スズキの動向は?
  5. Motor Fan:2025年10月31日、国内50ccの生産終了。新しい125ccクラス「新基準原付」の販売価格を勝手に予想してみた。
奥村 百花
ビギナーズ担当
奥村 百花
アイドルをやめてバイクに乗り始めたとき、免許を取るのが思ったより大変で正直びっくりした。でもその経験があるから、初めての人の気持ちがわかる。「難しそう」と思っている人に、バイクって実は楽しいよって伝えたくて記事を書いている。
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